書籍・雑誌

2017年10月31日 (火)

今月のまとめ(H29/10)

すき家グランドスラムで体調崩した10月。そこまでしても72cmさん入手できず。偏った食事はよろしくないです。

スターティング・オーヴァー
メディアワークス文庫 三秋縋著
先日読んだ寄生虫がよかったので、まとめ買い。順に読んでく。三秋縋月間。
デビュー作。らしく、やはり寄生虫ほどの完成度ではない。けど、あとがきの理念は何となく分からないでもない。でもまだこの作品は経過途中のはず。完成品を読むのもいいけど、その経過を追っていくのはきっと読者としての幸せ。
10年遡って人生やり直しするけど、計画通りというわけにはいかず上手くいかなかったね。1周目の自分の地位は誰かに埋められてて、それを傍から見ることになったらどんな感じよ。ていうSFテイスト作品。設定はSFどころかファンタジーですらなく夢レベル。SFなのはその舞台に対して登場人物がどう考えて動くのかという点。どう考えるというか主人公はあっちの世界にいっちゃってるし、子供期→青年期→ドラマって流れだし、三秋ワールド、毎作品この調子なんですね。でも回収しない過去も結構あって、それなら長編にせず、短編のがいいんじゃないかなと思ったのでした。普通に短編作家のが向いてると思う。

三日間の幸福
メディアワークス文庫 三秋縋著
2作目。せつない系ながらハッピーエンドなおかげで、これが代表作みたいになってるのかな。自分がまとめ買いした時点での刷数の多さはこれが群を抜いていて。
寿命を売る話はタイムみたいでやっぱりSF。あの映画はデータ移行のシステムがあまりに杜撰で、その設定をどうにかしろよみたいな感じでもあったけど、あれも設定よりもサスペンスを表現したかったのだろうから、この際置いときましょう。三秋氏はそれをサスペンスではない形にしたくて、これを書いたんじゃないかなあと思ったのでした。
ミヤギの物語なのはいいけど、それにしてもヒメノの使い捨て感がひどいかなあ。クスノキ視点が長すぎるというか、ヒメノは名前も出なくてよかったんじゃないかと。やっぱり短編のが向いてる作家さんだと思います。
何だかんだで読者の進んでほしい方向に進んでくれる作品だと思うので、だから評価されてるのでしょう。

いたいのいたいの、とんでゆけ
メディアワークス文庫 三秋縋著
3作目。デビュー作とかなり被ってる。他の作品もそうだけど、この主人公は特に感情移入しづらいタイプ。設定上こうなんだよという主張をしてるだけで、そう思考してる様が見えてこない。そのあたりは美大生が奮闘して補うように。もちろんそっちも説得力ないし、例によって途中離脱するけど。
改変は今作ではヒロインの仕事。手紙なくなったのも改変?とちょっと思ったし、瑞穂も同一かと期待したけど、霧子だけだった模様。絶望スイッチが入ることは本作において大事なことらしい。スターティングオーヴァーと比較して目指してるところがやっぱり見えづらい気がします。締めに入ってからの、ルート分岐する前の高校生編回想も、作品の方向性を変えてしまってるように思えます。
さすがに4冊読んで作者の性癖が見透けてきます。自分の嗜好と大幅に食い違ってたらもう読まないところだけど、嗜虐的な方向性は嫌いではないので、そしてこの方向性が受け入れられてるってことは、世の中の人も一皮むけばみな同じってことなんだろうとか、メディワはそういうところ分かってるんだろうなって、角川はやっぱり角川だったと思ったのでした。

君が電話をかけていた場所 / 僕が電話をかけていた場所
メディアワークス文庫 三秋縋著
4作目と5作目とセット。
電話と人魚姫でファンタジー。というか怪談という方が合ってるな。5冊目にして、ようやく腑に落ちた。
人魚で町興ししてる田舎町を舞台ってのは結構きれいにおさまってる感じ。痣と電話からの展開は他作品以上にファンタジー。初鹿野の魅力でそのあたりはねじ伏せて。この子がいてこそ、主人公もよく見えてくるってのがあるので、本作ではキャラ作りは成功してると思われます。でも千草の使い方が残念かなあ。人魚の報われなさ。
あと、この作者、毎度小道具としてタバコを使うのだけど、さすがに中学生が自販機でタバコ購入って、タスポの存在するこのご時世にそんな描写をよくも書こうと思うもんだなと。一応20世紀なので、通せないわけではないけど、それにしても多用しすぎ感。これが昭和に書かれた小説ならまだいいけど、さすがに全作品でこうも小道具としてのタバコの地位を重視されていると、違和感を拭えないのですよ。設定が現代の上にファンタジー乗せてるだけでもすでにハンデ背負ってるんだから、小道具を使うにしてもタバコ以外のものを使うとか、つなぎのシーンでもう少しナチュラルな表現を作ってほしいものです。
ここまで過去作読んでみて、やっぱり説得力の弱さが一番気になったのでした。そんな紆余曲折を経て寄生虫に辿りついたんでしょうね。しっかり前進してるとは思うので、今後の発展に期待するとします。

りゅうおうのおしごと 6
GA文庫 白鳥士郎著
前巻
最近の藤井4段の活躍もあってか、本作もますます低年齢化。小学生棋士まで生み出しそうな勢いだ。字は違うけどそうたくんときたよ。人気にあやかるのも大事。面白いからオマージュも許されるみたいなところもあるけど。
その颯太くんと姉弟子で目指せ奨励会3段リーグと、AI将棋につながる感じの6巻。
そして銀子脱落フラグ。将棋的に。この絶望感は先の展開を期待させる。脱落してもしなくてもどちらにでも分岐できるような書き方になってる安心感。展開としては脱落しないとリアリティなくなるけど、ラノベにそんなの求めるなってのもあるだろうし。
逆に、クズ嫁ダービーは横並び維持。そもそもどうせゴールしないし。ラノベだからそこは期待しない。そういう色恋に関する人間味のなさが様式美とされる業界なので仕方なし。もちろん以前の小冊子みたいなああいうのじゃなくて。この方面では自分は銀子派でいたいです。メインヒロインがしっかりと格を維持してくれてればそっちに流れるけど、不足があると判官贔屓したくなるのが自分の習性。銀子一択でしょ。間違ってもしゃう。あいの魅力は今のままじゃどうしたって足りないよ。
それよりも本因坊秀埋先生みたいのまで出すからこその白鳥士郎。ベッキーよりはいくらかお上品(?)だけど、よくもまあこんな強烈なキャラ出してくるもんだ。まあアニメは6巻までやらんだろ。しかし囲碁サイドでよかったな。将棋サイドだったら感想戦の2人詰んでたぞ。
泣かせにきたのはあとがき。ていうか、5巻終了説もどこへやら。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下
KAエスマ文庫 暁佳奈著
前巻
1年近く遅れてようやく手を付けられた下巻。まんざいせんか、この星空には君が足りない!、他にもまだまだ積んでるKAエスマ。ロボットハート2巻は読まないけどな。
P220のお手紙。そこに集約。ここで泣くために、他の部分が積み重ねられてる。少佐が生きてたのはやや白ける感じではあるけど、結末をこうしたくて書いたのだろうから、そこは納得しよう。まあ生かすならこう見せるのは失敗とまではいえないし。成功とも言い難くはあるけど。自分なら社長にバトンタッチで組む設定だな、というだけです。
あと、ヴァイオレットが汽車でのバトルであまりに弱すぎやしませんかね。それとも相手が強すぎたのか。かつての戦争時にあちらの国ではそういう存在もいたみたいな表現が各所にちりばめられていてよかったくらいの強者ですよ。でなきゃヴァイオレットのチートが際立って見えない。といったところで、それも枝葉。あくまでもP220の手紙。あれがこの作品のすべて。大賞受賞っていうのは、心への波及力あったればこそなんだろうと。
2018春でしたっけ。アニメ楽しみです。

繰り巫女あやかし夜噺~お憑かれさんです、ごくろうさま~
マイナビ出版ファン文庫 日向夏著
お憑かれ、はよく使われる手法ですね。御九郎様は珍しい。そこは新鮮に。
お蚕様と思わせて話を進めつつ、実は絡新婦だったという展開はよかった。この人やっぱり構成力高いなあ。しいて言えば織姫中心に地元の話ももう少しあったらよかったな。もう少し話を圧縮して一章そんなのがあったら多分理想だった。もちろん続編欲しいなんて言わないし、そもそも教授いなくなってそれやっても多分足りない。
今まで読んだ中では、薬屋>これ>デブ、かなあ。最近、薬屋に飽きつつあるので、1冊完結の新作でも書いてくれると嬉しいのだけど。

青年のための読書クラブ
新潮文庫NEX 桜庭一樹著
安定の三十五賞作家。
聖マリアナ女学園という舞台で創設者からの100年裏史。さすがに組み立てが上手い。題材と書き手と、章またぎのロングパスと、ホントよく書けてるなあと思います。それに、ゴシックよりよっぽどアニメ向きじゃね。
5本立て。話としては知ってても読んだことのない古典ばかりモチーフにされてるので、そういう角度からの興味はあり。緋文字とか読んでみたい。
さらに外伝もあるらしいので、機会があれば読んでみたいかな。

9冊。今月はエヴァーガーデンにしておきたい。一番よかったかというとそういうわけではないのだけど、来年のアニメに期待する意味合いで。そういう理由ならりゅうおうでもいいのだろうけど。

2017年9月30日 (土)

今月のまとめ(H29/9)

自分で読書するよりも、読書好きな女の子眺めるのがいいですね。ふみふみ。

ストライク・ザ・ブラッド 17 折れた聖槍
電撃文庫 三雲岳人著
前巻
毎度のことながら大雑把ですね。零菜かわいいね。この娘のためだけに雪菜とくっつくことが許されます。
求められてるものは詰め込まれてると思うので、この作品はこれでいいのでしょう。
作品の内容とは別でひとつ。この作品に限らないのだけど、近年どこでも見かけるので、ここらでつっこんでおきたい。ツイでもしょっちゅう言ってるんだけど。
P234 L6『交通事故、という単語~』の箇所。
「交通事故」って「熟語」ですよね。
三雲氏なら修正してくれると信じて。というよりも編集部が赤入れろよ。言葉を商売道具にしている者として、この誤用を放置せずに危惧を広めてくれ。
まあ自分も友人に10年前くらいにつっこまれてから意識するようになった側なんだけど。それでも文章書いて飯食ってた人間としては指摘もらったら直せる部分は直すべきかなと。
そんな話をちょっと前にゲームライター仲間の中でも話題にしたんだけど、そもそも単語と熟語の区分から伝わらなくて、小学校に戻れって思ったのでした。
さておき、話は相変わらずだけど、読んでて面白いですよ。面白いは違うか。楽しいですよ。お話しではなくキャラを楽しむ作品として。
ちょっと気になったのは萌葱。零菜とほぼ同い年だろうし、雪菜も浅葱も相当若い頃に産んだ娘たちかと思われることから、古城との関係が清算されて大した期間も開けずに別の男と子供作ってるのかっていうところ。自分の中での浅葱に対しての評価はほぼ底辺なのだけど、それがさらに強固になったシーンだったのでした。理想のヒロイン像って難しいな。いあまあ浅葱はヒロインでも何でもなくかませといえばそうなのだけど。立ち位置は縦ロールと同じ。

レッド・クイーン
ハーパーBOOKS ヴィクトリア・エイヴヤード著 田内志文訳
能力者がバニラを支配する世界といえばありがちかもしれないけど、要するにX-MENでマグニートー様の理想を推し進めたミュータント至上主義世界みたいなイメージ。銀の血を持つ貴族と赤の血を持つ下層民の壁。そんな中で異能持ちの奴隷階級が出現して、貴族階級の中に入り込んで下剋上していくみたいな話。
途中まではそれなりに楽しく読めたけど、革命活動開始のあたりからあんまり展開に魅力を感じなくなり。弟王子の薄っぺらさが大きい気がする。ひねくれたまではいいけど、王殺してまでかきまぜようって、そこまでやるような背景ないと思うんですよ。テロ組織も貴族共もご都合的な面が強く出ちゃってるように見えるんですよ。世界はいいけどキャラに魅力を感じないといえばいいか。それでも先は気になるので、2巻は読みそう。
ところで作者のブログ(http://victoriaaveyard.blogspot.jp/2016/10/new-map-of-red-queen-world.html)に解説があるのだけど、北アメリカ大陸が舞台であることを今初めて知ったのでした。

プリズン・ガール
ハーパーBOOKS LS・ホーカー著 村井智之訳
世間から隔離されて育てられた女子が、父の死を契機に面倒に巻き込まれ。ランディキングとドゥーリーがいらんことしなければカンザスで変な子として終えそうなので、むしろ巻き込まれてよかった説。
すごく雑な印象だけど、何だろう、このとってもアメリカンな感じ。もう少し事件の規模が大きいとアクション物にできそうだけど、このローカルな感じがどうしてもヒューマンドラマ止まり。でも普通に映画向きには思える。
カートおじさんの存在が癒し。その他ろくでなしばかり。ペティ含め。ていうかランディとドゥーリーはいったい何だったのか。ホントただの町のならず者ってだけでそんなに引っ掻き回しちゃったのか。おかげでペティが救われたのはあるけど、にしては部外者感強すぎて。父が与えた教育及びこいつらに関われば真相に辿りつけるとまで見抜いていたエスパーというなら、そりゃすげーてことになるけど、そこまではさすがになかろうし。
でもまあ楽しめた。アメリカンなドラマを見たい人におすすめ。

3冊。さすがにひどい。もうちょっと読め。そして今月のチョイスはプリズンガールしかないのか。うーん。

2017年8月31日 (木)

今月のまとめ(H29/8)

読書できてません。アイマス最高!な上半期でした。

戦国姫 花の巻 / 鳥の巻 / 風の巻 / 月の巻 / 茶々の物語 / 濃姫の物語 / 井伊直虎の物語 / 瀬名姫の物語
集英社みらい文庫 藤咲あゆな著
マルイノグッズとして買っただけで、基本、読む必要はなかったのだけど、何となく。冊数嵩増しとでもいうか。
メジャーどころはほぼ自分の中でも固まってるので、作者の解釈を加味しつつおさらいといった感じ。なので、マイナーどころに比重を置いて読んでみて。関連して、ヘボ領主扱いしてた一部武将の評価に微妙に変化があったりなかったり。もちろん下方修正された武将もいますね。
実際のところ、時代小説であろうが姫って存在は萌えの原点でしょう。近年になって挿絵で強調されただけ。昔から何も変わらないのです。

ぼくたちのリメイク 1 十年前に戻ってクリエイターになろう! / 2 十年前に戻って本気になれるものを見つけよう!
MF文庫J 木緒なち著
氏の作品で触ったことがあるのは、坂上がりくらいか。印象薄い。グリザイアの頃はもうエロゲリタイアしてるし。なので、フォーリズムは10年後の引き合いに出されても格が不足してるように思ったのでした。
文体は読みやすい。設定は何ら魅力なし。話の展開もどうでもいいけど、構成力はまずまず。えれっと絵に助けられてる面も大きく。
まあ課題図書として読んだんですけどね。

魔導の福音
創元推理文庫 佐藤さくら著
前巻
1冊目の主役、レオンとゼクスは今回脇役。魔導と縁遠いお隣のエルミール国で、カレンスを中心に横から展開。進むうちに交わる。今作の発表で、前作含めて真理の織り手シリーズというくくりになったらしい。今後どれだけ風呂敷広げていくんだろう。
女っ気のない前作から女っ気が追加されたかと思いきやまったく女っ気ないお嬢様とか、実に硬派でいいですね。サイとリーンベルとヴィクターもよいのだけど、やっぱりアニエスが光るというか。ご都合的ではあるけど、好ましいキャラ設定ではあると思います。系譜、福音、タイトルも内容に合ってるし。
自分的には1冊で話が完結してるのが好ましく。連載作品を纏めたのでもなく、最初からまとめる気もなく続刊って、非常に萎えますからね。長編以上の文章量で短編以下の情報量にますます磨きがかかるラノベから、さらに遠ざかってしまう今日この頃。面白い作品ももちろんないとはいわないけど、それ以前の話っていう。

11冊。今月の1冊ってないなあ。どれも相応に楽しんだけど、お薦めするかっていうとそういうのでもなく。

2017年7月31日 (月)

今月のまとめ(H29/7)

多分、今年100冊読めません。巻き返したいという気もなく。

スーパーカブ
スニーカー文庫 トネ・コーケン著
カブを手に入れて世界が変わった女の子の話。淡々と進行。ラノベらしさは微塵もなし。
山梨の地図を眺めながら読みました。修学旅行編あたりは普通に頭の中で。
主人公とても魅力ないのだけど、でも構成しっかりしてて楽しく読めました。こういう作品もっとあっていい。

ソフロニア嬢、倫敦で恋に陥落する
ハヤカワ文庫FT ゲイル・キャリガー著
前巻
フィニシングスクールシリーズ最終巻。乗り込んできたピクルマンたちとの最終決戦。ジェラルディン校墜つ。あちらの有志のwikiで流れを把握。もうこれ公式に挿絵追加しようよ。緑の線がソフロニアの動線ね。
しかしまあこれだけのことやって何で生きてるかな。すごいなスパイ。だから自爆したスパイが格好よかったのかも。
全体としてはソープはシドヒーグのときよりドラマチックな感じがなかったので、ソフロニアと絡めても弱かった感じ。アレクシアとマコンみたいにあんまりきれいに収まってないなあ。ソープと一緒に裏の世界で生きるとなったら、テミニック家的にももう死んだことにするしかないじゃない。これからは2人で、という側面が強くて、上流階級からは完全に消えるしかない流れなんだもの。将軍が表に出してくれることもなさげだし。
ともあれ、これでようやく積んでたプルーデンスに入れる。それが今作の一番の仕事。

正解するマド
ハヤカワ文庫JA 乙野四方字著
さぞ野﨑まどお好きなのでしょうね。おれも負けないくらい好きだけどな←

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
ハヤカワ文庫JA 高殿円著
緋色をそっちの意味で使ったのかと読んで納得。タンポン、ね。
あまたあるパロディとしては、結構面白く書かれてると思いました。シリーズ化してくれみたいには思わないけど。

風の名前 5
ハヤカワ文庫FT パトリック・ロスファス著 山形浩生、渡辺佐智江、守岡桜訳
前巻
チャンドリアンの痕跡探しに行って薬中のドラッカスと激闘。微妙に安物ファンタジーらしくなってきてやいませんか。そしてバストが最後に含みを持たせて尻切れトンボ。早く次シリーズ出してくれないと。いつになったら王を殺すのさ。
気になった山形浩生らしいあとがき。経済関係のお仕事お忙しいのでしょうけど、あとがきまでそんな風味付けされなくてもよいのですよ。

5冊。10期SSS失敗したので、11期目指してたので仕方なし。
しかし何だかハヤカワばかり読んでしまったな。実はシャーリーホームズが一番楽しめたかも。

来月も積み処理を。戦国姫シリーズ読み始めました。ただのグッズで終わらせてもいいんだけどさ。

2017年6月30日 (金)

今月のまとめ(H29/6)

こんなに本読んでたらそりゃSSS狙えないよね。10回の節目で競争も激しかった。途中離脱もやむなし。

キングキラークロニクル 風の名前 1 / 2 / 3/ 4
ハヤカワ文庫FT パトリック-ロスファス著 山形浩生・渡辺佐智江・守岡桜訳
ガチガチに山形浩生一派で固められた訳に腰が引けなくもなかったけど、評判いいので読んでおくべきかなと手に取ってみて。最近それなりに結構話題になってるので、10年前に出てるハードカバーの頃から応援してた人は、さぞ感慨深いことでしょう。
全然お話進んでない。昔語りが半分以上。というか、そういう手法か。
膝に矢を受けてる気取りの酒場の店主を装ってるところが、とてもスカイリムというか、あちらではスカイリムの発売前にこれも世に出てるので、膝に矢を受けるネタは向こうでは昔から定番なのかもしれない。という話をスカイリム大好きな知人に振ってみたら、向こうでは慣用句として使われてるんじゃないかという話も出てきたり。Google先生に聞いてみるとarrow in the kneeで結婚したという意味になるみたいな噂も出てきたけど、出所も怪しいし、そもそもこの作品に当てはめてもそうはならないので、また別の意味もあるのかも。研究が俟たれる。
とりあえず4巻まではまだ若い頃の話だけ。ジプシーの天才児から底辺生活に落ちぶれてそこから這い上がって大学行ってその途中。2巻3巻あたりはバランス悪くなかったけど、4巻のクォートはそれまでと比べてちょっと軽率すぎやしないか。デナに絡むところではそれもアリだけど、ヘンメ以外の師匠たちに対してもその対応はこの設定上では許していいものか。
とはいえ、たまたま4巻がちょっと谷間かなという程度の話。5巻でいくらか方向修正されることを期待します。面白いとは思うけど、でも驚きはあまりないです。

十歳の最強魔導師
ヒーロー文庫 天乃聖樹著
奴隷から身分解放って、つい先日イレーナ読んだばかりなんだけど、比較しちゃいけないのは当然というか、そもそも内容につっこむのが野暮か。ちびっこが色々やってるのをかわいいね、と読みたい人へ。はっきり読み捨て用。2巻出たらしいけど読むわけもなし。

棘道の英獣譚
ダッシュエックス文庫 野々上大三郎著
第3回集英社ライトノベル新人賞特別賞受賞作。これでもかってくらいダッシュ文庫色。方向性に一貫性があるのは嫌いじゃないけど、それで売れないからスーパーダッシュの看板掲げ直したんじゃないのかしら。でも個人的にはこの方向でもいいと思ってます。逆に看板掲げ直さなくてよかったのにって思ってるくらい。クオリティだけ磨いていけるなら。そういう意味ではラノベの枠を捨てた方がいいとは思うけど、ラノベ以外まあ売れませんからね。
原初の兄妹に振り回される世界、に巻き込まれた現代の兄妹、というか兄だけど、まあ説得力ないよね。でも目的地が寓話的なところにあるので、設定とかは多分どうでもいい部分。樹竜とかもっと上手く使えそうなものだけど。おにいちゃんは女神と結ばれて幸せに暮らしましたとさめでたしめでたし。その裏でメガネ妹はスポットライトも当たらずに不遇なまま話終われ、でもメガネはそうあるべきって、とてもじゃないけどあとがきでぶっちゃけるようなことじゃないですね。

ネットカフェ探偵クロヒナ~死にたがりのソーシャルコミュニティ~
AMGブックス 紙吹みつ葉著
FB文庫から出てた「ひな×じん 鎖の少女と罪悪感の天秤」の焼き直しらしい。2008年だと、まだ自分のラノベブーム来る前だから読んでないな。そもそもこの作者を読むのは初めてか。
よく分からない幽霊に憑かれて、記憶を奪って結晶化する能力を得て、それで周りの人を救ってるつもりで引っ掻き回してこうなりました、と。
リファインされてこれじゃ、元の本もさぞ売れなかったろう。

恋する寄生虫
メディアワークス文庫 三秋縋著
手に取ったのは表紙の紙質違うなってだけでしかなかったのだけど、久しぶりに人に薦められるレベルの作品に会えた。メディワならチェックしてそうなものを、表紙群に見覚えないので平積みされてなかったのか印象薄かったのか、縁がなかったらしい。今後はこの作者ちょっと追いかけてみよう。
いくら前職がそれっぽかったとしても和泉のスパイアイはやりすぎ感あるけど、大筋として潔癖症の主人公が秘密多いヒロインと出会って寄生虫な話にシフトしていく流れは秀逸。説得力持たせようとするなら宇宙から来た寄生虫くらいの設定とでも思っておくのがよさそうだけど、そんなの書かれても話があらぬ方向にいってしまうので、このあたりがやっぱりちょうどいいんでしょう。でもどうにかもう少し説得力ある表現欲しかった。何かいい方法ないかな。
ラストは佐薙の夢の白鳥の話になってるけど、死のうが死ぬまいが書いたら綺麗に終われないので、書かないという形を取るしかない。これは仕方なし。ハッピーエンドを求められない作品てのも心が苦しいなあ。

だから俺と、付き合ってください。
野いちご文庫 晴虹著
たまには毛色の違う作品も読んでみようと思ったりするんですよ。たまには。
ステレオタイプな少女漫画を体現してる。それはもうとてもひどい主人公。こんなクソみたいな女に人気者の男子が入れ込んでくれるんですよね。作中では自分を卑下してるけど、要するに顔はいいんでしょう。でなければ説得力生まれないし。そういうところも含めてクソ女だと思えます。このジャンルの存在意義が何となく見えてきました。こういう女にはなるなよ、そういうメッセージだ。あとがきでは夢のあるように書いているけど、それを鵜呑みにしてはいけない。
とにかく何も成長しない主人公に唖然。せめてその経験から何かをつかんで話が進むならまだしも、転がり込んでくるラッキーに、最後までやさしく助けられるだけ。このお話の時点では若くて可愛くてそれで成り立つかもしれないけど、歳を重ねてもこいつはおそらく同じような行動を取ってちょっとしたことで心移りしてして沼に沈んでいくのだろうと思うと、この作品をジュブナイルな対象に読んでほしくないわ。まあそんな架空の登場人物の将来まで気にかける必要なんかないんだけど、こういう作品を読んで夢見て大人になって同じようなことする女の子が増えるようなことは全力回避希望。
それを踏まえて、現実には無理でもお姫様の夢くらいは見たいよね、くらいのポジションをキープしながら読む程度にはまあテンプレだしいいんじゃないですかね。そういう、人生をドブに捨てるがごとく献身的にお姫様に尽くしてくれる先輩や太陽のような王子様に囲まれることこそが、少女漫画なのでしょうから。

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? #EX
スニーカー文庫 枯野瑛著
前巻。じゃないけど直前に読んだ当シリーズ。
2部構成だけど、大事なのは前半部。後半部はいっそなくてもいい。本編でもう見えてるし。冗漫だし、下手をすれば蛇足レベル。
500年前のお話。アニメが尺の都合か商売の都合か、完全にクトリだけのお話として他の一切をそぎ落とされてたので、個人的には消化不良です。おそらくは自分以外にもそういう人が増えることを見越して、それを補うべく出された1冊なんじゃないかなと勝手に思ってみたり。言ってしまえばクトリはもう完結してるわけで、補完すべきは別の方面であるべきで。ゆえの後半部不要論。
それにしてもリーリァも他の妖精と変わらんというか、この人の描くキャラがみな同じってのはたしかにあるかなと。描き分けの弱さはこの作者の一番の弱点ではあり。とはいえ、この作品においては枝葉の部分だろうと思ってるので、それで作品の評価が著しく損なわれるまでは思わないけど。逆にアニメみたいに脇役エピソードをざっくり削られるのは好ましくなくて、消化不良という着地点になるのです。人も亜人も獣も妖精も星神も全部救われてこそ、このタイトルでしょう。ただのお涙頂戴BMGにされたらさすがに可哀想。まあ仕方ないけどさ。

何だかんだで10冊。今月は寄生虫推しで。ぜひ読みましょう。

2017年5月31日 (水)

今月のまとめ(H29/5)

ラノベ率落ちてきた感。来月もSSSマラソン参加予定なので、ラノベであっても多分5冊読めない。

おはなし 猫ピッチャー ミー太郎、ニューヨークへ行く!の巻
江橋よしのり著
わんニャン倶楽部は猫ピッチャーのため。平野選手好き。続きやってくれんかな。
トランプぽいオーナーとかサーバルとか出てきて、タイムリーなところもアッピル。
意外だったのはイラスト。そにしけんじじゃなくてあさだみほが描いてるという。本人じゃないんだ。
ゆるーく読めます。

カロリーは引いてください!~学食ガールと満腹男子~
富士見L文庫 日向夏著
薬屋の人の本が平積みされてたので、購入。他の積ん読よりも優先して読むのは仕方のないこと。
主役の楓がワトソンで、デブがホームズ。学食を中心とした舞台に日常ミステリを。おかげで猫々ほど重い事件を背負わないし、デブもとても魅力的だけど、落差というか揺さぶりもなくて、淡々とした内容で。あと、微妙に薬屋よりも日本語が変かもしれない。薬屋のがなぜか洗練されてる。
結局のところ、お約束的鈍感設定の楓が魅力なくって、楽しめなかったんだろうと思ってます。

イレーナに読書時間を割いたおかげで、今月は5冊だけ。仕方なかろう。

2017年5月24日 (水)

毒見師イレーナ / イレーナの帰還 / 最果てのイレーナ

ハーパーBOOKS マリア・V・スナイダー著 渡辺由佳里訳 / 宮崎真紀訳

いつの間にかハーパーコリンズに吸収されてたらしいハーレクインからの出版ぽ。
原題はポイズンスタディ、マジックスタディ、ファイアスタディ。この3冊でスタディ3部作というらしい。さらにシャドウスタディが4作目らしいけど、それはナイトスタディとドーンスタディを加えた3冊でソウルファインダーシリーズとも見なされるらしい。その前にグラスシリーズとか外伝とか多数出てるくらい結構ボリュームあるというか人気あるシリーズみたいなので、続編も早く邦訳お願いします。

奴隷的環境から主人殺害で囚われていて、そこから死刑と毒見役の選択を迫られて、物語スタート。邦題はそこから。表紙買いというかタイトル買いというか、閃きで3冊購入したのだけど、ファンタジーとは思わなんだ。
1巻は死刑囚になった経緯を遡っての復讐劇。2巻は奴隷になる前の出自一族の国に戻って、失った過去を取り戻すお話。3巻はその国での責任と立場を追及される感じで騒動に巻き込まれていくお話。

とにかくイレーナの心理描写が丁寧。一人称視点を外さないのも個人的に大事。
イレーナに限らず個が立っているのが特徴で、というかあまりにそれぞれの自我の位置が高すぎて、ラノベ視点で読むとちょっととっつきづらいかもというか、でもそれが格好いいというか、自分は好きです。
この個性の立脚点が、イクシアとシティアの行動規範、倫理規範に根を張っているところにあって、その設定の奥行きがちょうどよい感じ。それぞれの国のトップであるアンブローズとローズが、原理主義的にそれを体現していて、作品の方向性が見えやすくなってるのが親切。おかげで対立軸であっても相手を尊重というか認めたうえでやりあってるところが、この作品ホントにジュブナイル?って思ったりもします。精神年齢レベルが違いすぎる。お話自体は、ヴァレクの毎度の都合のよさを筆頭に、ジュブナイルなんだけど。

ヴァレクとのラブロマンスもあるけど、その描写に必然性を感じないというか、ジュブナイルにするために差し込んでるんじゃないか感あり。でもあってもいいお年頃の設定だろうし、逆に何もないのもラノベっぽくなってそれも無理筋強まりそうなので、これでいいのかも。

この作品は、魔法だとか設定だとかお話云々よりも、個の美質を考える方向で楽しむのがよいのかなと思うのでした。イレーナの、価値観をではなくて、考え方を追って読むとホント面白いです。

あと、1巻の訳者さんの丁寧な仕事がよかったなーって。この作品好きだって気持ちがとても伝わってきます。あと、これ、続きのグラスシリーズ以下もこのレーベルで訳してくれるのかなあ。その辺はしっかり続けていってもらいたいところ。そのくらいには好きになれそうなシリーズ。
ひとまずごちそうさまでした。

2017年4月30日 (日)

今月のまとめ(H29/4)

なかなか読書ペースが戻らない。それが本来の実力ということ。

薬屋のひとりごと 5 / 6
ヒーロー文庫 日向夏著
前巻
行先は西安ぽいけど実際には西寧市あたりが適当かなとか勝手に思ってますが、フィクションなのであくまでもイメージだけ。時代だって宋代くらいが土台かなとかてきとーに思ってますし。碁にコミあったりもするけど。
猫行く先に事件あり。そういうところはミステリのお約束。事件じゃなくちょっとした謎に関わる程度に留めてもらっていいんだけどな。蝗はいいけど、白娘々や占者まではちょっとねえ。凶作まで操つる工作員との力比べってのは、キャラのコンセプト的に猫の手にはちょっと余りはしないかと。芋の話くらいでちょうどいいと思うよ。まあそれが凶作と話がつながるのだろうから、まあよく脚本組み立ててるなって感心はしますけども。
それに猫はもっと打算で動いていい。目先の薬の材料に踊らされろ。据えられたら壬氏がもっと可哀想なことになるし、簡単には自由な動きもできなくなるだろうけど、それはそれで後宮の中で面白くできそうだし、何よりそっちを見たい。このところ壬氏よりも馬閃や羅半あたりのがいい動きをしてるので、話の広がりを考えたら正直猫はもう据えちゃっていいと思うんだ。猫は持ち込まれる側。積極的に巻き込まれにいかなくていい。
いい作品だと思うけど、そろそろ飽きが首をもたげ始めてきてるので、やっぱりどこかで綺麗に締めてほしいなと思うのです。

まるで人だな、ルーシー
角川スニーカー文庫 零真似著
第21回スニーカー大賞優秀賞。何を以ってして受賞したのかさっぱり。テンプレラノベではあまり見られないこねくり回し方からにじみ出るオサレ感が選考員の琴線にでも触れたか。
箱が人から要素をもらって人らしくなってく、要素を渡した人側は人らしさをなくして、その齟齬から心の動きを表現してみようとかそんなの。のわりにメッセージが伝わってくるでもなし、要素のモジュール化を寓話的に処理するのもちょっと無理筋。そもそもルーシーが何だったのかもよく分からず。

異世界拷問姫 3
MF文庫J 綾里けいし著
前巻
相変わらず薄っぺらい。エリザベートを救うべく皇帝として起つみたいな流れも、色々とやりたいことは伝わってこないわけでもないのだけど、作者の基本姿勢が掘り下げに無関心なようなので、そういう楽しみ方はほぼ無理め。そもそもお話を読むよりも、バトルとかキャラのかけあいを見て楽しめ、な作品なので、そんな考え自体が無粋。よくいえばアニメ向き。そんなところもMFかなあ。MFだ。

誤解するカド
ハヤカワ文庫SF 大森望・野﨑まど編
正解するカドに絡めて売られては仕方ない。
何作かははるか昔に読んだものもあり。関節話法とか今読んでも面白いな。ついでに家族八景とか読みたくなってくる。なるだけで読まないだろうけど。
第五の地平はついこの前読んだばかりだしまあ、ね。

終末なにしてますか?もう一度会えますか? #4
スニーカー文庫 枯野瑛著
前巻
ナイグラートの出番が多めだったのが個人的注目点。とはいえ本編で特に刺さるものはなかったです。でもあとがきが。5巻に期待しないわけにはいくまい。獣も星神も救ってこその本シリーズだと思ってるので、広げた風呂敷をまた小さくされてちまちまと4冊も続けられても楽しめなかったんですよ。スウォンやかーま、いーぼあたりは期待大、下手したらネフレンやクトリどころかリーリァまでくるかも。5巻さん、頼みますよ?

あと、単発のりゅうおう。計7冊。10冊読めてない。

今月のチョイスはカドにしときますか。いつまでもSFって新鮮。

2017年4月13日 (木)

りゅうおうのおしごと! 5 / 御伽噺のその後に

GA文庫 白鳥士郎 / さがら総 著

あとがきによると最終巻?じゃあ個別エントリにしておこう。というつもりなんだけど、7月に6巻の発売予定あるみたいなんだけど。

1巻2巻3巻4巻

名人との対局。主人公が主人公であるために、あいでさえ入り込む隙がないのはいいけど、名人もちょっと薄味かも。最低限のことはしてるけど、もうちょっと2人の世界を作り上げられたんじゃなかろうか。ほとんどクズ1人の世界だった。完全に一人称な小説ならそれでこそなんだけど、この作品も他のラノベよろしく結構あっちこっち飛ぶからねえ。

といいつつも、前半はしっかりラノベ。雛鶴旅館はじめ家族たちの暴走っぷりだとか、脇役たちの使い方もとてもラノベらしく白鳥士郎らしく。
そして後半の本編。千日手と打ち歩詰めが重なった場合どうなるのか、ってまあ普通知らないわな。そういう、題材に関して切り込んでいく側面も、白鳥士郎作品の面白いところ。というよりも企画力とか構成力とか表現力とか文章力ではなく、いつも言ってるように、作品に取り組む姿勢がこの作者の最大の魅力であり。その姿勢を持ち続けてくれる限りきっとファンは付いていくことでしょう。

4戦目の覚醒からクズ竜王は本当に先の世界に行ったんでしょう。その先のドラマも多分面白くなるとは思うけど、早々に締めてくれていいんですよ。次の作品がまた一段上の面白さになるはず。次回作も楽しみですから。

おまけの小冊子は読まなくてよし。不快になるだけ。数年後に同人誌でやりました、なら構わないけど、最終巻の付録がこれ?いい加減にしろ。余韻が台無しだわ。
さがら総の評価ずっとだだ下がりだったけど、これで最底辺まで行き着いた。これを通した編集も問題。わざわざ原作レイプして、それを喜んでるのは内輪だけって感覚は微塵もないんだろうか。内輪のつもりで楽しむ外野はさておくとして。
絵だけ堪能して、小話は読んではいけない。こういうものも楽しめる懐の広さとかそういう問題ではなく、美意識がなさすぎる。売れればよかろう?えぇ、そうですね。

2017年3月31日 (金)

今月のまとめ(H29/3)

少ないながらもいい本が多くてよかった的。

真行寺美琴のぬいぐるみ事件簿
ポプラ文庫ピュアフル 飯田雪子著
タイトルからいくつか事件を解決してくのかなと思ってたら1本だけでした。しかも事件でもない。というかそれもおまけでしかなく、実のところハートフルファンタジー。それは好みなのでよし。文章も読みやすいし。その分内容も薄いけど。でも美琴いい子だし、キャラにすんなり入っていけてストレスなく読めます。
個人的によいなと思ったのは葬式からのスタート。読みやすく入り込みやすかっただけでなく、この構成の汎用性の高さはどうよ。

ガールズロボティクス
集英社 白木秋著
ロボについて一家言ありそうな設定でありながら女性アンドロイドって表現する主人公に疑念。そこはギュノイド(ガイノイド)でしょ。もう最初も最初から悠の薄っぺらさを露呈してるわ。モーターやベアリングに対しての薀蓄みたいなそういう部分よりもまず根っこをしっかりさせようよ。これじゃ久陰とさして変わらん。久陰たちが足りてないのはやむなしだけど、おかげで足りないだけでなくマイナスといいたい。もうちょっと土台作りがんばろう。先生の無茶ぶりも無理筋だし、しかもそれを出てきてすらいない理事長にまで背負わせるのはもっと苦しいし。大会での勝敗の賭けとその後も放り投げてるし。その前にライバルにもなれてない。出す意味ない。その程度ならモブでいい。
題材的には期待したんだけどな。中身が伴ってませんでした。フォロー入れるなら、読みやすくはあった。くらい。

ぼくの映画。~学園一の美少女をヒロインにキャスティングしてゾンビ映画を撮ろう~
メディアワークス文庫 金子跳祥著
汚物扱いの映画愛好会の連中が、ゾンビ映画作ってちょっと見直される話。
主人公の脳内で何かあるごとに映画を引用する表現、分からなくはないけど結構うざい。もうちょっとナチュラルにいけると思うんだけど。一番マシな主人公でそれだから、他の連中含めてキモがられるのは当然。そういう意味ではポジション間違えてない。それがいいかどうかはさておき。ヒロインは逆にいい子すぎ。訳の分からない連中相手に、微妙な脅しもあったとはいえ、よくもこんなにまっすぐ向き合ってくれたもんだか。ゆえにヒロイン。
が、この作品読んで何か思うことがあったわけでもなく。何かを読みたい人に響く内容ではないし、読み捨ての1冊を求める人にはそもそも響く響かない以前。それって作品として世に出す必要あるんだろうか。売れっ子作家が飯の種にというならそういう売り方もありだろうけど、中堅以下がやってもどうしようもないよね。つまりレーベルのラインナップを嵩増しするための1冊なんでしょう、出版社的に。

三国志外伝
文春文庫 宮城谷昌光著
この人の書いた本編読んでないけど、軽く読めそうだったので買って積んでた1冊。ちょうど三国志大戦4も遊んでることだし。
小説というより注釈入れながらのドキュメンタリー風で、古風な文体かも。おかげで読みやすいです。三国志好きなら楽しめないわけなし。いつか本編読んでもよいかも。最後に読んだのは陳舜臣のだったっけかな。ここ10年は三国志物読んでなかった気がする。あ、人形劇は5年くらい前に通しで見たっけ。

薬屋のひとりごと 3 / 4
ヒーロー文庫 日向夏著
前巻
それっぽく匂わせてはいたけど、国母から狩りの話ですぐに進展させてきたのは意外。ラノベって意味もなく引っ張る傾向にあるし。ホントいい作品だ。そして、ますます壬氏のポジションが可哀想になってきます。もっといい扱いにしてあげてもいいだろうに。おかげで高順と水蓮がとてもひどい人物に見えてきました。猫は最初からそういうキャラなので仕方ないけど。
4巻ももちろんよいのだけど、いくらかやっつけ感もあるような。いあ、プロットとしてはシリーズを始める前から用意してなきゃいけないくらい念入りだとは思うのだけど、展開の方が。設定の上で胡坐をかいてしまったとでもいうような。せっかくここまでつなげてきたのだから子翠及びその周辺はもうちょっと丁寧に書いてほしかったなあ。子昌の使い方がちょっとよくないように思う。ポジション的に愛されてないのも仕方ないかもだけど、そこだけ表現が物足りなくて、周りもそれに引きずられた感じ。
狐になってもまた戻ってくるのかしら。演技に演技を重ねてもそれはいいと思うし。これで離脱だといくらかもったいない気もするしね。でもそれよりはまず壬氏かな。猫がいくら逃げるとしても、話が進んだからには進んでくれなくちゃ。こんな部分だけラノベのお約束に填めなくてもいいです。

どうにか6冊、ノルマ超え。来月は倍読もう。
面白さでは三国志も薬屋もよいけど、あえてぬいぐるみを推しておこう。埋もれそうな作品こそ拾い上げてあげたい判官贔屓心。

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