« HELLO WORLD if ―勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする― | トップページ | この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説 »

2019年9月30日 (月)

今月のまとめ(R1/9)

ビブリア古書堂の事件手帖 7 ~栞子さんと果てない舞台~ / ~扉子と不思議な客人たち~
メディアワークス文庫 三上延著
前巻
ラスボスはやっぱり母ちゃんなのか。そして今までの敵役がわりと薄くて可哀想に思えたり。かといってこの敵役も格好悪いので、何とも。それだけ母ちゃんのスケールが大きいんでしょう。題材がシェイクスピアのファーストフォリオなのはこのシリーズのコンセプト的にとてもいいし、締めにもってくるにも相応しいし。こういうところは好き。背景というか重み付け大事。まあまあ楽しめました。
扉子は、使い方はすごくいいんだけど、キャラとして弱いかなあ。もうちょっと前面に出てきてくれても。
とりあえずこれで読み終え。お疲れ様。4巻はそのうちどこかで。

あの日、神様に願ったことは Ⅱ girls in the gold light
電撃文庫 葉月文著
前巻
1巻よりはいい構成。彩羽はこう使われていくのだな。でもストーリーは何だかさらに青春物に寄ってってて、気持ちが冷めつつある。もっとミラクーティアの話で不思議体験させてくれる方がユニークでいいと思うんだ。売れなくなりそうだけど。

オーブランの少女
創元推理文庫 深緑野分著
5編どれも楽しめた。お話と、答え合わせと、結末と、構成いい感じだし、説得力というか背景の作り方が上手いなあと。個人的には偽環と岩様が好き。もちろんマルグリットもアミラも食い逃げもヘイザルもみんなよかったけど。
なぜかミステリに分類されてるけど、これはそういうくくりとは違うと思う。もっと広いところから読めるよ。えぇ、単に土俵に持ち込んで評価したがってる連中が多いのが嫌なだけです。
そして調べてみたら、この人厚木出身だ。親近感湧いてきた。応援しよう。

いのしかちょうをこっそり視ている卯月ちゃん
LINE文庫 鳳乃一真著
半分くらい読んでるときに気付いた。七七七の人か。
横書き小説。徐々に増えていくんだろうか。改行と段落がそんな仕様に合わさってるといえるのかもしれないけど、実際のところ、気に入らない。何でここまで改行入れるのか。とはいえ、これはこれで読みづらいわけでもなく。軽さを重視した結果としての改行と思えば、なしではないのかもしれない。気に入らないけど。
というわけで、種明かしモードに入る前まではまあ読めた。古典的というか漫画的というか、種明かしがとてもげんなりする。構成がとても教科書に沿ったミステリの作り方、みたいな感じだし、記憶操作についてももっと背景が欲しいし、そもそもこの比良坂先生、事故の記憶操作するくらいなら最初から卯月が惚れるように暗示しろよ。目的はそっちだろ。作者から犯人に仕立てようという思惑に翻弄された被害者という見方さえできる。構成に無理やり当てはめるべくそんな動きになったんだな、って。それは萎えるよ。
それでも狐の理屈と、話の骨格は嫌いじゃないです。視野と考え方と選択のテーマ自体は。もうちょっと動機と意思と覚悟を丁寧に組み上げてほしかったな、って。

地獄の沙汰もメシ次第
双葉文庫 中村颯希著
これもなろうらしい。知らないけど、多分女性作家でしょう。この設定からして。飯物だったので買ってはみたけど、好みではなかった。
構成そのものはそんなに嫌いじゃないけど、この土台の上で話が進んでもどうにも食いつけず。設定の作り方が腐系のそれなんだよなあ。腐った設定ではないのだけど、アプローチの方法が腐系のやり方を踏襲されてる。通じる人にだけ通じればいいです。
だから、好きな人には刺さると思いますよ。自分が対象じゃなかっただけ。実際、構成はいいと思います。

パラレルワールド
ハルキ文庫 小林泰三著
帯にあったけど、代表作になりえるだろうか。
天変地異を境に2つの世界をまたぐヒロくんと矢倉の対決を。設定はパラレル世界を題材にしてるのかもけど、基本的にやりたいのは対決だよね。そして頭いいっていってもヒロくんちょっと枠はみ出すぎ。いっそヒロくん的に10年規模で差が付いてて実際に矢倉と対決してるくらいでもよかったんじゃと思ったくらい。それもまたやりすぎなんだろうけど。そもそも矢倉はここでも全力出しちゃいけない。そういう設定なんだから。
でも決着後に2つの世界の処置をどうするかで裕彦の取った道は、訴えかけるものがあっていいんじゃないかなと。そこは考えさせられた。
代表作何かって聞かれたらやっぱり玩具修理者って答えるだろうな。インパクト大事。

アヤカシ・ヴァリエイション
LINE文庫 三雲岳人著
いつものように、文章は読みやすく。問題は設定の深さとキャラの魅力か。これは付喪神的なお話。
でもあんまり入り込めなかったかなあ。ストブラくらいハレコメに寄せた方がいい作品描ける人なのかもしれない。

嘘と正典
早川書房 小川哲著
ゲームの王国が面白かったので、これも期待して。短編集なのね。
魔術師:マジックに人生かけた男とその家族の話。本当にタイムマシンあったら、こんな手品の話だけでなく科学界隈でもっと賑わうし、だからお話的には謎として終わらすけど、そういうのは書いたら無粋だし読んで理解しろよこれは家族の話なんだよ分かれよ、っていう作者の圧をいいとするか反発するかで評価変わりそう。この姉さんの妄執こそがすごいんだよ。
ひとすじの光:亡き父の残した馬と出自の血統とで道がつながるところが、とてもハートフル。この本の中で一番好き。
時の扉:扉開けてもいいことないね。王みたいな地位にいるなら。こんな話聞かずにさっさと下がらせろ。
ムジカ・ムンダーナ:隔離島で、ダイガのための音楽に大河がどう向き合うか、他作品以上に感情移入を要求されて自分で答えを出さなきゃいけない仕様。でもそれも先輩が答えてくれそうだ。
最後の不良:頭の体操的なSFとしての作り。流行で消費されたくないから流行をなくして、自分たちは好きなことするクラブで生きるわって、まず他人を見下し過ぎな感。どこかのバランス崩すとSFとして突っ走れるけど、規模が小さすぎてあんまり魅力を感じず。
嘘と正典:タイトルのそれは、過去にメッセージを送るのと、タイムパトロール的なかぶせと。こういうSFはいいな。
でも全体的にやっぱり軽いです。悪くはないけど、もっと重厚な長編読みたいです。

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
メディアワークス文庫 斜線堂有紀著
架空の病気にしないでお話作れなかったかな。要するに遺産を前に気持ちを保って周りに負けずにいられるか、みたいな話かと思うので。体が変異して金になってく設定を受け入れるところでかなりのハードル。人間、7割は水分じゃん。でも15kgじゃ足りないから50kg程度まるまるということにしても、まだ足りない。弥子は60kgほどのぽっちゃりさんてことにしとこう。それは萎える。だから金としてだけじゃなく、研究材料としての希少価値を加味して3億と考えよう。ていうかぜんぜん夢のある金額じゃないよね。桁2つくらい上がらないと。そこが最大のハードルだ。
母親と北川を心の壊れた肉親として、何とまああさましい一面を強く描かれてしまってるか。限界集落ならではの視野の狭さみたいのが、金にからんでさらに醜く描かれていて、もう描きたいのそっちなんじゃ?って思えるほど。そんな中で日向がどう進むのかみたいのがまあ本筋なんだけど、どちらかというとサナトリウム勤務の人々のが大変そうだわと思ってしまった。
そんな中でチェッカーに対する気持ちはまあ多少伝わってきたかな。自分はあまり面白いと思ったことないけど。

さくら書店の藍子さん 小さな書店のささやかな革命
富士見L文庫 浅名ゆうな著
書店物を色々意識してる。ヒロインも物怖じしない栞子みたいな。でも別にミステリでもなく日常系。
負けフラグを背負ってちょっかい出してくる幼馴染がさすがに不憫。こういう薄っぺらさはどうにかならないものかと思うけど、これが様式美と言われたら何も言えない。それ以外も、シーンがあんまり頭に入ってこないうちに次のシーンに切り替わってることも多くて、文章のメリハリに難があったかも。特別に読みづらいとまではいわないけど。もう少しいじれば結構よくなりそうな気はする。

HELLO WORLD
HELLO WORLD if ―勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする―

14冊。もっと読んでる印象だったけど、15冊に足りなかった。
今月はハロワifで。映画観てこれ読んで映画観ましょう。世の中こんな女の子だらけだったら幸せなのに。


« HELLO WORLD if ―勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする― | トップページ | この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

月まとめ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« HELLO WORLD if ―勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする― | トップページ | この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説 »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

ブログパーツ類。

無料ブログはココログ