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2017年5月24日 (水)

毒見師イレーナ / イレーナの帰還 / 最果てのイレーナ

ハーパーBOOKS マリア・V・スナイダー著 渡辺由佳里訳 / 宮崎真紀訳

いつの間にかハーパーコリンズに吸収されてたらしいハーレクインからの出版ぽ。
原題はポイズンスタディ、マジックスタディ、ファイアスタディ。この3冊でスタディ3部作というらしい。さらにシャドウスタディが4作目らしいけど、それはナイトスタディとドーンスタディを加えた3冊でソウルファインダーシリーズとも見なされるらしい。その前にグラスシリーズとか外伝とか多数出てるくらい結構ボリュームあるというか人気あるシリーズみたいなので、続編も早く邦訳お願いします。

奴隷的環境から主人殺害で囚われていて、そこから死刑と毒見役の選択を迫られて、物語スタート。邦題はそこから。表紙買いというかタイトル買いというか、閃きで3冊購入したのだけど、ファンタジーとは思わなんだ。
1巻は死刑囚になった経緯を遡っての復讐劇。2巻は奴隷になる前の出自一族の国に戻って、失った過去を取り戻すお話。3巻はその国での責任と立場を追及される感じで騒動に巻き込まれていくお話。

とにかくイレーナの心理描写が丁寧。一人称視点を外さないのも個人的に大事。
イレーナに限らず個が立っているのが特徴で、というかあまりにそれぞれの自我の位置が高すぎて、ラノベ視点で読むとちょっととっつきづらいかもというか、でもそれが格好いいというか、自分は好きです。
この個性の立脚点が、イクシアとシティアの行動規範、倫理規範に根を張っているところにあって、その設定の奥行きがちょうどよい感じ。それぞれの国のトップであるアンブローズとローズが、原理主義的にそれを体現していて、作品の方向性が見えやすくなってるのが親切。おかげで対立軸であっても相手を尊重というか認めたうえでやりあってるところが、この作品ホントにジュブナイル?って思ったりもします。精神年齢レベルが違いすぎる。お話自体は、ヴァレクの毎度の都合のよさを筆頭に、ジュブナイルなんだけど。

ヴァレクとのラブロマンスもあるけど、その描写に必然性を感じないというか、ジュブナイルにするために差し込んでるんじゃないか感あり。でもあってもいいお年頃の設定だろうし、逆に何もないのもラノベっぽくなってそれも無理筋強まりそうなので、これでいいのかも。

この作品は、魔法だとか設定だとかお話云々よりも、個の美質を考える方向で楽しむのがよいのかなと思うのでした。イレーナの、価値観をではなくて、考え方を追って読むとホント面白いです。

あと、1巻の訳者さんの丁寧な仕事がよかったなーって。この作品好きだって気持ちがとても伝わってきます。あと、これ、続きのグラスシリーズ以下もこのレーベルで訳してくれるのかなあ。その辺はしっかり続けていってもらいたいところ。そのくらいには好きになれそうなシリーズ。
ひとまずごちそうさまでした。

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