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2017年2月28日 (火)

今月のまとめ(H29/2)

もうちょっと、せめて10冊読みたかったな。

ぼくたちが本当にシタかったこと
ガガガ文庫 白都くろの著
AVのための専門学校ができたという土台を用意して、そこで自分を見つけようという作品。エロを扱いながらもラノベ枠なので行為そのものの表現は無し。エロを取り扱ってるおかげで文学寄りでもあり。課題に向かって同級生と色々やって見えてくる心境とか、分かりやすく表現されてるように思えます。設定は変だけど、まあ面白く読めるかと。あれだ、まよねーず世界に至るまでの過渡期っぽいセカイと思えば。そういうところをもっとSFできてたら多分もっと評価高くなった。別にそこまでしなくても読めるのは読めるけど。でもそういう伸びシロはきっと大きい。まあその領域を拓くにはラノベのプラットフォームではきっと無理でしょう。エロゲか文学に行くしかない。タブーを壊していってこその最先端。それはやむなし。

水族館ガール 2
実業之日本社文庫 木宮条太郎著
前巻
買った記憶は彼方に。積んであったというか埋もれてたので、読んでみた。わりと登場人物忘れてる。でもニッコリーは憶えてたよ。そういやその間にNHKでドラマにもなってたんだっけ、見てないけど。
新人と気取らないイルカショーやることで人気出す風とか、出向先で苦労しながらも乗り越えていく様とか、場面と視点がころころ変わるのがちと読みづらいかも。咲子のポジションもちょっと狙いすぎかな。ベテラン勢も物分りよすぎ。しっかり取材して書いてるんだろうなというのは感じるけど、水族館サイドとラブストーリーサイドのバランスがどうにもよくなくてのめりこめないので、さすがに3巻は読まなくていいや。

魔導の系譜
創元推理文庫 佐藤さくら著
第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞。その帯で買ったはいいけど半年埋もれてた積読。
系譜。セレスからレオン、レオンからゼクスへ。作品に合ったとてもよいタイトル。
技術を持つけど導脈の弱いレオンが、導脈最強のゼクスを育てて、そのゼクスは国の運命に振り回されながらも最後に師の下に戻っていく、そんなお話。
魔導士もそうだしセルディア人もそうだし、迫害境遇スタートはお話として王道。育成編はそんな下地作りで種まき。砦編も隊とか勢力争いとか同様に。内乱編で過去の軌跡と振り返り。でもロザリンドを筆頭に伏線回収はぎこちないし、アスターのその後とか未回収なのは残念なところ。それは置いとくとして、差別や国の話でなく師弟愛だけを描いた作品と割り切ってしまえば、それなりに魅力ある感じになってるかなと。
そんなわけで仮想歴史ではないので、続編はなくていいです。また新作出したら読んでみてもいいなくらいの新人さんではあると思います。解説の最後の文章、デビュー作からファンでした、それを言うために読んでおく。読書好きなら誰でもやってきてることでしょう。そうと言いたくなる作家は何年かに1人いるかどうかだけど。

魔王さまと行く!ワンランク上の異世界ツアー!!
HJ文庫 猫又ぬこ著
これも異世界転生物なのか。呼び寄せられて能力受け継いで魔王になって、その間100年腐らずに聖騎士招待ツアーを計画立ててたそうです。気が長い以上に背景の説得力薄いわ。もちろんそんなの誰も求めてないって前提なんだろうけど。しかしラノベの宗教団体ってハリウッドのナチスくらい符号化してますね。もうこの形式崩せないんでしょうかね。
あと、たまたまアニメイトで買ったので特典がついてきたのだけど、1枚っぺらのおまけは、作中で酔ってる最中の一幕。なくても本編に差し障るものでもないし、グッズを集めたい人向けのニッチなアイテムかと。この程度で店舗特典にしようという商売っ気も嫌らしいし、こんなのに食いつくファンも安すぎるし、正直、こんなの無い方が世界は平和だったと思います。1P増やせばいいだけじゃん。
そんな感じでゆるい世界が好きな人はどうぞ。

いせたべ~日本大好き異世界王女、求婚からの食べ歩き~
カドカワBOOKS 川岸殴魚著
人生風味の、ほとんど魔賃。チンプイにお使いさせずに自ら乗り込んだルルロフ殿下というかむしろビルス様というか、そんな要素でコンビニグルメとかあるときはオーマイコンブ的な料理をダシにショートコントというスタイル。まったくお話まとまってません。何のために女騎士とか出したの。まったく王女と話つながってないんですけど。1話完結スタイルでも、全体の構成にも気を配ろうよ。そこが魔賃との差というか伊藤ヒロとの差。個別のからあげクンやブルボンや詩人とか、それぞれのネタはいいんだけどさ。
まあ、人生の文体が好きな人はどうぞ。

ポーション、わが身を助ける 3
ヒーロー文庫 岩船晶著
前巻
これもずいぶん前に出てたやつだし、何で積んであったかな。もう読まなくていいやくらいに思ってた気がするけど。正直この主人公にはまったく魅力を感じません。ただの女子高生に期待する方が間違ってるんです。要するに自分が悪い。先の展開に興味がないわけではないけど、この主人公見てるだけでがっかりするので、今度こそ離脱しておきます。

薬屋のひとりごと 2
ヒーロー文庫 日向夏著
前巻。ヒーロー文庫読むならこっち。1巻面白かったし、早く続き読みたいと思ってたけど、ずいぶん前に買った2巻が奥底に埋もれてて、ようやく発掘された次第。3巻はもっと早く手を付け、たいな。webで読め?嫌です。
伏線の回収がホント無理なく綺麗。一話一話短くて読みやすいし、それが後半でそうつながるのかー、ってこれぞ正に小説。羅漢の見せ方と梅毒の話とか、李白と白鈴とか、つなげ方がホント上手。猫と壬氏はもちろん、その他登場人物たちも役割ごとにしっかり仕事してて、魅力たっぷりに描き分けられてるので、友人に押し付けるにも安心です。

おにんぎょうさまがた
集英社オレンジ文庫 長谷川夕著
エセルの話はまずまず。タイトルから連想されて求められてるのは、多分この方向。そこにつながるミーナの布石も大事。他はまあ普通。というか定番。特に意外性もないです。言ってしまえばエセルだって意外性はない。でも求められてるのはあれだろうし。
ただラストのクローディアはちょっと弱い。意思疎通できちゃって、しかもそこから人形的自殺に流れちゃうのは違うでしょ。意思疎通させたのはやっぱり失敗だろうなあ。

僕が恋したカフカな彼女
富士見L文庫 森晶麿著
カフカ読んだことないです。特に嫌ってるわけでもないけど、意識高い感じが敬遠させるんじゃないかと。でもこれ読んで、カフカを読んでみてもいいなと思えるくらいには思わなくもなかったり。まあ機会があれば。
謎はあんまり謎にしてなくて、オチを隠さずに進行する展開は、多分見せたいのが謎でなくカフカの元ネタの方なのだろうと思ってるのだけど、その元を読んでない自分はてきとーにそんな想像をするしかなく。
色んなネーミングも意図して『カ』と『フ』で溢れさせてるんだと思うけど、これもバカにならないというか、いい感じで刷り込みになってるように思えます。でもそこまでお膳立てしてると、逆に風香に言い寄る楓がスタートがゼロからのわりにはちょっと有能すぎるきらいはあり。
それと終盤、無駄に叙述トリック含有量が高まってKとK'の説明とかウザくなる感じなのが何とも。そういう小手先のネタはいらんのに。もしカフカがそういう作品ばかりだったらやっぱり読まなくていいや。そんな感想。

9冊。新作じゃないけど、薬屋一択。比較する余地すらない。他も他でそれぞれ見どころがないわけではないけど、さすがに完成度が違いすぎる。

3月は多分減ります。3度目のSSS戦争参戦。5冊読めたら御の字と思っとこう。

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