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2016年7月26日 (火)

バビロン II ―死―

講談社タイガ 野﨑まど著

前巻

文緒くんの後任が、例えるならアムリタでいうところの画素さんというか、2でいうところのそれまでのヒロインたちというか、要するにできる女性というポジションで、それはもう最初から曲世愛のダシに使われるしかない存在なのであって、やっぱり野﨑まどでしたというしかなかったり。そんな彼女がサポートしてくれる中で、前半は淡々と自殺法否定の立場から斎包囲網を仕掛ける流れ。ここら辺は正崎がしっかりと主人公。二見のように絡め捕られてない(多分)ので、しっかり自分の仕事に向き合ってます。

なんだけど、斎も斎で新世界見えちゃってる人で曲世愛を利用してるとこなんかは、誰でも思うだろうけど寄生獣の広川的に読ませようとしてるんじゃないかなと。でもあっちよりもう少ししっかりしてる。応援したくなるくらいには。自明党の反撃に対する手とか、当人だけでなく太陽と奥さんまでボロ出さなかった流れまで鑑みて。何より、推奨してるわけでなく、幸福のための自殺法だというその論理を。それを曲世愛と組み合わせると台無しになっちゃう面もあるけど、どうせこれだって彼女が活躍するためのダシでしかないと思えば、斎はちゃんと脇役としての仕事をしてるんです。でもあの流れだとしても選挙イーブンになるんかなあ。聞いてもらえれば一定の説得力もあると思うけど、人はそれほど他人の言葉を聞いてない。そんな感じでそこはもうちょっと説得力含ませてほしかった感。

そんな前半。そして後半。
凄惨なわりに描写は大人しめだけどタイミングがいい。九字院の。そこからつながる曲世愛の無双ホラー。超常的な存在ではあれど、最早と違って俗っぽさを備えた悪という感じに表現されてるのが、この物語の特徴になってるというか。
その悪についても、勇者云々のくだりは比喩の選択を間違えてそうに見せかけつつ、それさえもミスディレクションなんだろうと期待している自分がいて、早く先を読みたくて仕方なかったり。
最早に始まる超越者の思考とかこの作品の場合は自殺法だとかを、その他の登場人物および読者たちに理解させるべく筋道を少しずつ見せていくのが多分野﨑まどの基本なんだろうと思ってるのだけど、善悪の定義についてどんな提示がされるのか、善は何を見てどういう答えを出すのか。曲世愛に惚れられるとか、逃げ場なしホラー、耐えられるわけがない。こっちも仕込みかなとも思えるけど、陽麻もどうなるのか。というか自分も曲世愛に殺されたいです。そんな幸せな死に方できたら。新域に引っ越そうそうしよう。

あと1冊で終わりそうな気がまったくしません。

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