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2014年5月28日 (水)

俺と彼女の青春論争

角川スニーカー文庫 喜多見かなた著

スニーカー大賞特別賞受賞作。青春モノを読みたい人にはいいのかも。いあ、よくねーよ。何ていうか、有楽町線に謝れ。

全力全力とかいって人を引っ掻き回すわりに自分では何もしないヒロイン向原。何この悪の根源。
それに振り回される主人公新木場。高校入学時点でその枯れっぷりもラノベではよくあるので、こちらはまあ普通。ただし、向原をああにまでさせてしまった大元。それは因果応報だけど、それにしたってここまで迷惑かけられる謂れはなかろう。いっそもう一度影響与えればよいのに。
この2人が中心だけど、これは青春じゃなくてただの迷惑行為。若気の至りですかそうですかそうですね。だからって許されるかよ。しかも当人たちさえ直視するのが苦しいというのに、他の登場人物もそんなのに流されるようじゃあまりに薄っぺらくてどうしたって冷めた目でしか見られないじゃない。
自分を語る部だとかいいながらその人生相談まがいの自己啓発みたいな部を発足させようというだけでも二番煎じどころの話じゃないし、しかもそれがこんな連中では。

成増にはコンプレックス吐き出させただけで、しかもそれはただ喚いただけだろうに、それを話せたとかいっちゃうし、しかも本人もそれを話せた気でいるし、和光には焚き付けるだけ焚き付けて、やる気のない新木場にも屁理屈通り越してただの言いがかりを押し付けてるわ、挙句自分で気付くように仕向けただとか後出しで偉そうにふんぞり返ってるし、月島に対しても、自分では何もせずに新木場なら分かるはずとか丸投げで、本気でこの小竹向原何なの。そしてそれを向原にしろ月島にしろ過去の新木場がそうさせたみたいな無理やりな設定。その無駄なフラグさえこちらの気分を逆撫でしてくれます。いやらしさしか感じませんよ。

100歩譲って設定と展開と価値観がうんこだっただけで、文章がそこまでひどかったわけでもないという弁護ができなくもないかもしれないけど、これを出版して得する人間がどこにいるのか知りたい。次回作以降買ってもらえなくなるという意味で、作者ですら損するレベル。B級映画好きが糞つまらない映画を追いかけ続けるように、ラノベ界にも駄作チェイサーがいるのかな。いたらいいな。
まあここまでひどければ次回作がこれ以上ひどいことはないだろうから、そういう意味で前向きになることもできなくないのか。

とりあえず全力の意味を履き違えるな。全力で空回りしたところで誰も認めることはないから。
大体、エリートが挫折したときはこうなるに違いないだとか、何か願望でも持ってるんですか。それともテンプレのつもりですか。本作を読んでいるとこの作者からは和光以下のひねくれた精神が見えてきます。でもまあ受賞できて出版もできたのだから、全力頑張ったんだね偉い偉い、くらいは言ってさしあげましょうか。とりあえず自分がこの作者の作品を読むことは二度とないでしょう。作者どころかスニーカー編集部に不信感を持つくらいだわ。ホント、これが受賞する土壌が理解不能です。

ここまでひどい作品は普段はスルーしてなるべく触れないようにしてるのだけど、最近は読書の分量が減ってるおかげで逆にブログを書く余裕のある時期だったというタイミングの悪さというか、そこはごめんなさいしておきます。でも言わずにおれなかったくらいそれはひどいものだったわけです。
ということで、近年稀に見るどうしようもない作品でした。例えるならばラジー賞ノミネートを超えて、間違いなく今年のワースト1に輝くはず。あえて手にとってみてほしいレベルです。

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