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2013年6月26日 (水)

はいつくばって慈悲を乞え

ハヤカワ・ミステリ文庫 ロジャー・スミス著 長野きよみ訳

1年越しの積み処理だけど、読むのに1週間かかったという。ハヤカワのいつものパターンで最初の50Pほどに読むのに苦労して、そこから先は面白さ依存。そしてこの作品は面白かったです。小説よりも映画的な意味合いで。
HMだけど別にミステリじゃないよね。スリラーサスペンスではある。むしろ日常系。ただし南アフリカの。けどこれはあくまでも日常なのでクライムとは呼ばない。ここまでいくともうジョークにしか見えないよ。それがフィクションであっても実際にあるんだろうし。
しかしケープタウンでこれならヨハネスブルクなんかどんな世界だというのか。前回のワールドカップ、よくあんな国で開催したな。おっかねえ。

主人公的ポジションはアメリカ女のロクシーか。外人ゆえに南アおっかねえあんなとこ行くもんじゃねえという視点を強く感じられます。でもロクシーは基本的に冷静な人なのでそれほどパニック感なかったり。そもそもこいつもクズ。でも南アなら余裕で許される程度のクズなので、判断としてはもっとも正常な人物かもしれない。でも、旦那撃つのはチャンスだったかもしれないけど、撃たなきゃいけないほどに追い詰められてたかというと、何かもやもや。でもそのくらい命の軽い町ならさもありなん。

なので、ビリーを応援しながら読むのがデフォルトです。でもこの町では彼のが異端。元警官の傭兵で、子供の頃の因縁からこの成長はちょっとこの町にはもったいないくらい眩しすぎる。別に正義感とかじゃなく、自分のためだけど、それでいいし。とすればクライドはどれほど聖人君子だったのやら。この町でそういう精神を維持できる方がおかしい。

あとはクズばかり。登場人物一覧に名前があるのもないのも。でもみんなクズなりにポリシー貫いていて魅力的。というと語弊があるけど作品の魅力に貢献しまくりです。まあパイパーとかやっぱりクズなんだけどさ。
というか、南アで死刑廃止っておかしくね。理想と現実のバランス取れてるのかね。当事者はどう考えてるんだろう。先週、マンデラさんの危篤のニュース流れてたけど大丈夫なのだろうか。

絡み合う人間関係に、そこから派生するドラマに。まったく感情移入できないのにのめりこんでしまうこの破壊力。ていうかせっかくタイトルに惹かれて買っておきながら、積んでしまって、こんな面白い作品を放置してたおれのバカ。しかしいい邦題ですね。インパクト大きいよなあ。

特に続編というわけではないようだけど、前作の血のケープタウンも読んでおいた方がいいかもしれない。というか映画化されるらしい。そっち観るか。

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