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2012年2月 3日 (金)

ボンクラーズ、ドントクライ

ガガガ文庫 大樹連司著

1999年当時の高校時代の青春回想録、みたいな作品。伝え聞くところではほうかごのロケティアを再構築して焼き直しとか何とか。機会があればそちらも読んでみるかな。

一貫して傍観者佐々木少年の一人称視点で進行。この時点でとてもラノベらしくない。
友人のカントクこと藤岡に引きずられて映研そっちのけでヒーローごっこしたりといった平和な田舎生活を満喫していたところ、男装美少女桐香に部を乗っ取られそうになる流れで真面目に部活動に励むようになる姿が描かれてます。
撮影が進むにつれて桐香に心奪われていくのだけど、それ以上にカントクと桐香が仲良くなっていく様を見ているのがつらい佐々木少年の煮え切らない感情とか、かといってカントクも女慣れしてない様とか、あまりにまっすぐな青春を微細に表現して、もうこれのどこがいったいラノベなんだか。もちろん褒めてます。

それにしても風景の再生がしやすい作品でした。違うのは田舎の度合いと、映研でなくコンピュータ部にいたのと、こんな可愛い女の子いねーよってことくらい。可愛いどころか女の子そのものがいねーよ。その辺だけは圧倒的にファンタジー。時代が下ればいたのかな。
特撮大好きカントクが愛國戰隊大日本やらダイコン新マンやらに夢見て語る姿は、ナチュラルに高校当時が思い出されます。ちっとでもサブカルに足を踏み入れていればそういう話題が出てくるのは自然なこと。
実相寺監督へのリスペクトは、自分の場合映像作品よりも当時に読んでたコンプティークでやってた連載のがよりリアルタイムで印象強かったり。奇才の代表みたいな人だったし、影響力はやっぱりあったろうと。作中もまだ監督が存命だった時代なわけで、カントクがお熱になってる姿がまた細かい演出でいい感じでした。
そんなに濃くもなさそうな佐々木少年にしても、時代背景的にエヴァやナデシコやTo Heartやらをムーブメントとして捕らえていて、回想録的にその後のクウガなんかも挟み込んで説明してるあたりはやはりカントクの相棒といったところ。
むしろ愛のなせる業でカメラを修めた桐香が一番現実離れ。姉へのコンプレックスはかくも強いのか。

物語の収束は意外にあっさり。ちょっと気が抜けました。
さらにあとがきもないので投げっぱなしエンドをさらに蹴り飛ばし。こういう投げっぱなしは正しい投げっぱなしなのでこれはこれでいいです。投げっぱなしエンドは嫌いと思ってたけど、実はそうじゃなかったのかな、自分。

一応、メインはアラサー向けと思うので、今のアラサーがこの作品を読んでどれだけ親和するのか聞いてみたいところ。アラトゥウェ以下にお勧めするのは難しいか。アラフォーでキラキラした青春を取り戻したいと思ったら読んでよし。
最近のガガガは安定してるなあ。

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