« 今日のおしごと | トップページ | IPv6でいいことなんか何もない »

2011年7月22日 (金)

アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う

ハヤカワ文庫FT ゲイルキャリガー著 川野靖子訳

ようやく2巻に手を付け。
原題「Changeless」1巻で嫁ぎ遅れ26歳のオールドミスタラボッティさんは無事マコン夫人に昇格して、ますますキレのあるキャラクターを見せてくれました。旦那かすんでます。いあいいおじいちゃん役ではあったけど。伊達に2世紀生きてないね。

舞台はロンドンからグラスゴーへ。謎の異界力消失病だかディスペル攻撃だかの謎解きのために、マコン卿の地元へお出かけ。倫敦で吸血鬼と戦ったのと同様に、飛行船での盛り上がりは一瞬です。でも1巻よりはタイトルに偽りなしか。というより日本語タイトルは話の核心には触れずに前座の内容が付けられるスタイルみたい。
その後はお家騒動とか色々絡むのだけど、話の組み合わせの妙に感心。ベストセラーになるだけはあるなあ。

勝手に飛行船旅行についてくる3人のおじゃまキャラとお付きたちは核心に触れてたりまったく関係なかったり。でもその存在が重厚な背景を表現してるので、いらない子なんだけどやっぱり必要なパーツなんだよなーと思わずにいられません。特に妹。アイヴィはちょっと今巻微妙だったか。むしろ現場にいないのに活躍するアケルダマ卿、やっぱりかっこいい。挿絵欲しくなるほどに。もうこれ早く映像化しようよハリウッドに買われていいよ。あるいはアニメ化。ジャパニメーションはラノベのアニメ化するよりそっちに向かってくれ。少なくともそういうの買い付けてくる制作会社が1つくらいあってもいい。シドヒーグの目覚めとか超見たいんですけど。やっぱりX指定かな。Rは確実ね。

事実としては知らないけど怪我したら傷口にりんご酢塗り込む家庭の医学とか、ミイラ解包ショーが当時はステータスだったんだろうなあという背景描写は相変わらず重みがあります。1巻でも上流環境や産業革命の匂いとか場末の酒場や秘密結社みたいな19世紀ロンドン的な符号があったように、今回もスコットランドの田舎が舞台で寒い灰色の世界で牧歌的で野蛮なイメージが表現されてるところに惚れるのです。そういう符号です。単に昔の小説を読むのでなく、現代に書かれた当時の風景ってのが大事ですね。名作系もせめて10年おきくらいに現代語訳してくれればいいんだけど、訳がどうしても古いんだよなー。
もちろん、ハギスに顔つっこむみたいな定番ブリティッシュジョークなポイントも。細かいところからしていちいち言い回しとか洒脱なのです。ホント、こんなかっこいいスタイルで生きたいです。無理だけど。

不満はキングエア団の無鉄砲加減。なんでそんな暴挙に出たかな。出てもいいけど、その背景が弱すぎる。別のウルフパックと連携取ってたわけでもなさそうだし。つくづくマコン卿カワイソス。それがグラスゴーの田舎者ってことか。

あとがきによると全5巻の予定だそうな。原著が来年で終わるらしい話。綺麗に終わってくれるのかな。とにかく楽しみです。

ところでペーパーバック版見たら、こっちのが雰囲気出てて好みの表紙なんですが。日本で売れなさそうとか思われるかもしれないけど、ハヤカワ読むような人間なら絶対こっちのがいいと思うんだけどな。今風に媚びたって、そういう人はどうせ挿絵もないハヤカワなんか最初から読みもしませんて。ねえ?

« 今日のおしごと | トップページ | IPv6でいいことなんか何もない »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/572742/52279392

この記事へのトラックバック一覧です: アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う:

« 今日のおしごと | トップページ | IPv6でいいことなんか何もない »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30